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年齢 [音楽]

 今日は着付け教室の日だったのですが、着付けをしながらふと、頭の中でシューベルトの
弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」が流れました。
始めは何の曲だったか思い出せずにいたのですが、帰りの電車の中で漸く思い出し、
家に帰ってからずっと聴いています。
1楽章のチェロのあの駆け上がるフレーズです。

どうして「死と乙女」を思い出したのか暫く考えていたのですが、
多分新しい着物に袖を通したせいだと思います。
叔母が送ってくれた新しい着物が、菜の花のようなあまりに鮮やかな黄色い着物だったので、
鏡に映った自分がなんだか気恥ずかしくて、自分の年にどうにもそぐわない気がしたのです。
今の私の年齢は、若くもあり若くもない、微妙な年齢だと思います。
それを思う時、危うい若さを思う時、私は「死と乙女」を思い出すのです。

言葉のイメージでしょうか。
「死と乙女」は死神が乙女を死へといざなうクラウディウスの詩をもとにかかれた曲ですが、
私にはどうも曲のイメージと相まって、「若さ」が奪い去られていく乙女の嘆きのような印象が
あるのです。

私はあまり自分が年をとっていくことに対して、気負いはない方だと思います。
さばを読んだことは一度たりともないし、年齢を聞かれてもすぐに答えます。
年齢を重ねること自体が目的ではないし、どういう年齢を重ねていくことかが問題であって、
年齢はひとつの基準でしかないと思っています。
それでもやっぱり、年齢を意識する気持ちは心の何処かにあるのでしょうね。

年齢を重ねる寂しさも、そのうち感じるようになるのでしょうか。
その心境を想像するに、私にとっては「死と乙女」なのです。

これから年齢と、心を重ねていく、大事な人たちへ、願わくばこの寂しさが伝わりませんように・・・。
その寂しさが伝わることが、何より寂しいような気がします。
・・・これからは「死と乙女」は必ず一人で聴くようにしよう。


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