吉野朔実とひとつの真理
人は、その人にふさわしい人生を生きる
必要の無い能力は開発されない
吉野朔実『瞳子』2001年6月（文庫2006年4月）／小学館
私は吉野朔実という人の漫画をとても愛しています。
季節ごとに、行き詰った時やふと切なくなった時など、何かの折りにそれはもう、
何度も何度も読み直しています。
彼女の描く繊細な絵や色使いが好きなのもありますが、
何より彼女の扱う言葉たちがとても魅力的なので、登場人物の僅かな一言一言に、
励まされたり恍惚としたり傷ついたりしています。
一番好きな作品は『いたいけな瞳』なのですが、この『瞳子』もお気に入りの作品で、
「人は、その人にふさわしい人生を生きる」「必要の無い能力は開発されない」は
昔から私のお守りで、どうしようもなく息も出来ないほど悲しいことがあった時に
思い出す言葉なのです。
そしてもう一つ。
大学を卒業してぶらぶらと毎日を過ごす主人公・瞳子が、友人の母親から
云われた一言。
「瞳子さん。人はやりたくないことはやらなくていいんですよ。
見たいものだけ見ればいいんです。」
・・・これって凄いなぁ・・・と初めて読んだ時、強烈にショックを覚えました。
私自身は100％そうは思ってないのですが、一つの真理ではある、とは思うし、
こう云い切れてしまう人は凄いなぁ・・・と云うか恐ろしいなぁと思ったのです。
だからね、自分がやりたくないことをやっている時や、やった方がいいけど
気分が乗らなくて気落ちしている時とか、ついつい思い出してしまうのです。
つい先日も、友人のライブに行って、ふとその言葉を思い出しました。
友人はそのまた友人のボーカルのバックでピアノを弾いていて、
メインではなくとも彼女にとってはこのライブがとても重要な意味を持つものであるのは、
彼女の話しからも伺えたし、その日はどうしても行きたかったので楽しみに出掛けた割りに、
試験勉強を「しなきゃいけない」という頭がどうしても拭えず、多少焦っていたのもあると思います。
それにね、好きなことをしている人を見ると思い出すのもあるかなぁ。。。
何が正しいとかではなく、一つの真理としてね、「見たいものだけ見ればいい」と云う
言葉を時々、ふと思い返します。
『瞳子』だけではなく吉野朔実の本を読んでいると、世の中には実にいろんな人が
いるのだと、可笑しくもあり、馬鹿らしくもなるのです。
だから好き。
そうそう。先日のそのライブはと－ても素敵でね、身贔屓だとしてもピアノ良かったなぁ。。。
ライブハウスもちょっと変わった建物で、なかなかかわいかったですよ～。
恵比寿天窓switch
友達が新しい一歩を踏み出すであろうそのライブを、見逃す訳にはいかないと思っていたし、
一人の人間のそんな日に立ち会える機会なんて滅多にないので、
無理にでも出掛けようと思っていたのですが、やっぱり行って良かった！！
ボーカルのこもとーても歌は上手いし、声もいいし、売れるようになるといいねぇ～。
松下恵美ちゃんって人ですので、皆様応援よろちく。
吉野朔実さんの作品は、なぜか読んだことがないような・・・？
いたちたちさんの記事を読んで、とても読みたくなりました。
ちょうど今、私が行き詰まっている状態だからでしょうか・・・。
試験勉強・・・やりたくないです（笑）。
たまに、なぜやってるんだろうと思う時もあります。
複雑な気持ちです・・・。
by さゆき (2006-09-23 01:37)
おお！宣伝までしてくれてありがとう！！
試験勉強中なんだ・・・そんな大変な時に来てくれたなんて知らなかったよ。
「人は、その人にふさわしい人生を生きる」「必要の無い能力は開発されない」
私にはグサリときます。
私にふさわしい人生ってどんなんだろう。
私が今やっていることは正しいのかな。いつもそんなことばかり考えてしまう。
でもだからこそ、「見たいものだけ見ればいい」と思えた。
やりたいことをやろう！って。
今はただそれだけ。
その気持ちだけで動いている。
この先どうなることやら・・・
by glode-trotter-yukinkoworld (2006-09-23 02:11)
≫さゆきさん
私もやりたくな～いって投げ出しては戻ってを繰り返す日々です（笑）
吉野さんの本は是非読んでみてくださいな★
励まされますよ～。
≫ゆきんこちゃん
いやいや自分が行きたかったからいいの。
私は私でやることやらないと・・・って思ったから逆に行って良かったよ♪
っていうかライブやる前に宣伝すれば良かったね（笑）
ごめん。気づかなくて～。
『瞳子』をね、読んでみてみて。
「人は、その人にふさわしい人生を生きる」「必要の無い能力は開発されない」
この二つのセリフが出てきた経過がまた面白いのよ～。励まされるよ。
私は「見たいものだけ見る」方が難しい気がしちゃうんだよね。
じゃあ本当に見たいものってなんだ？
って考えちゃう訳です。
私には難しい生き方なので、だからすご～いとか思っちゃうのかな。
好きなことだけやろうって思ってた時期もあったけど、
結局私にはその方が辛くなったよ。
ゆきんこちゃんは今、好きなことだけやってみたらいいよ！
人間、そんな時期があってもいいはず！絶対！
応援してるよ～。
by いたちたち (2006-09-24 11:35)
なんか心に来ますね、このセリフ・・・・。
言葉をうまく使いこなし表現できる方って尊敬しちゃします。
ブログを始めて特にそう思いましたよ。
開花かぁ・・・私も結婚してもまだ大きな夢があって、下積み下積みって
ずっと頑張ってます。今年はかなり前進できたので前を向いて進むのみ
なのかなぁ・・・。ここまで頑張ってきたのだから限界までやろうと思います。
ちなみにどうしょもなく辛い事があった時や↓なった時は私は「海」ですね～。
「青」が私にとって癒しらしいです（＾＾）もちろんフェレもだけど♪
by SACHI (2006-09-24 17:05)
＞サチさん
サチさんの夢はあのミニチュアのお仕事ですか？？
写真で見ても本当、繊細で素敵な手仕事に、私にはサチさんこそ
尊敬しちゃいますよ～★
私のぶきっちょ加減が泣きたくなります（大泣）。
私もフェレは癒しですねぇぇぇ。
このこのために頑張らないと～って思います。
by いたちたち (2006-09-25 14:27)
吉野朔美さんは私も好きです。
一番好きでよく読み返すのは『月下の一群』。
『ECCENTRICS』までは買っていましたが、だんだん難解になってきてしまって最近は立ち読みばっかりです。
『いたいけな瞳』も読み返そうかな、と思いました。
by はてみ (2006-09-28 00:10)
＞はてみさん
「月下の一群」はやっぱり名作ですよね！！
吉野朔実の原点だし。桐子さんの言葉も深いものがありますしね～。
「ECCENTRICS」は本当に何回読んでも難解です！（あ、シャレではないです）
でも好き＾＾
私はつい先日「ジュリエットの卵」を読み返して、吉野朔実ワールドに
とっぷり浸っていました～。やっぱりいいですよねぇ。
by いたちたち (2006-09-28 16:13)
突然のコメント失礼します。
ゆきんこちゃんに話を聞いて来てみてしまいました。
初めて来て下さったのに、宣伝まで・・・。
ありがとうございます。
ご挨拶できなくて残念でした。
お勧めの本、今度是非読んでみます。
人の支えになれるような一言ってすごいですね。
私もいつかそんな言葉を紡げる表現者になりたいです。
これからも、ゆきんこちゃんともどもよろしくおねがいします。
by 松下 恵美 (2006-09-30 04:01)
＞ 一番好きな作品は『いたいけな瞳』なのですが
そうですね。私もそうですね。スキップちゃんが好きで。
ちなみに、ぶーけは創刊号以来ずっと読んでました。
by 春分 (2006-09-30 16:34)
「瞳子」は読んでないか？
いとこと同名・・・違った、いとこは陶子ちゃんだった。年をとると眼が見えん。
by 春分 (2006-09-30 16:37)
＞松下さま
あら本人様！！なんか恥ずかしい～（笑）
松下さんなら充分そんな表現者になれますよ～。
今後とも応援してますので頑張って下さいね～！！
＞春分さん
あら！上手がいた！！（笑）
やっぱりスキップちゃん人気ありますね～。私も大好きです～。
by いたちたち (2006-09-30 16:44)