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本当 [本]

 今日はもう出勤日ですが一日多く休みをもらいました。
ダイビング疲れもあり、充分睡眠を取って、部屋の片づけをしたり、
とにかくぼけ~としてました。
日常生活に戻るのが大変!
でも明日からまたお仕事頑張ろう~。

そうそう。「模倣犯」を今回の旅で読み終わりました。
とても胸に残る言葉がたくさんあったので、一気に読み通したため、
かみ締めるために今、また読み始めてます。

もっとも自分に近く共感したのが、塚田真一に云った有馬義男のこの言葉です。

「また始まった。ホントは、だ。ホントは違ってた。ホントはこうだった。やめなさいよ。
あんたがそのとき考えたことが本当なんだよ。本当のあんたは、そのときそのときその場に
ちゃんといるんだよ」

「あんたはいつだって何かやろうとしてきたんだ。あんたの身に降りかかった災難から
立ち直るために、何か道がないかって、ずっと探してきたんだ。その一瞬一瞬は、
いつだってあんたにとっては正しい方向を向いていたんだよ。だけど、ちょっと続けて
苦しくなると、すぐにそれが間違っていたような気分になって、やっぱりあれはホントじゃ
なかったって言い始める。まるで、いちいち〝あれは本当のことじゃないです"って
断らないと、誰かに叱られるとでも思ってるみたいだ。誰も叱りゃしないよ。
だって、あんたの人生はあんたのものなんだから。過去の災厄だけがあんたのものなんじゃ
なくて、これから先の人生だってあんたのものなんだ。誰にもお伺いをたてたりせずに、
自分のためになることを自由に考えていいんだよ」

私自身、昔は「本当は」をずっと考えて生きてきました。
本当はどうなんだろう?
本当はどうしたいんだろう?
ってそればかり考えていました。
やっぱりちょっと辛くなると、本当は違かった、こうじゃなかったって思ったりして。
それを他人に強要したりして、かなり自分を追い詰める考え方をしていた時もありました。

でもそうなんですよね。
その時その時に正しい自分がいて、正しい方向を選んできたはずなんです。
物事には「裏」「表」があることは認識していました。
でも違うんです。物事は裏表の二方面だけではなく、いくつもの方面が存在するのです。
私達は選んだ方向と、その反対の選ばなかった方向だけを、考えてしまいがちですが、
「本当は」他にも道はいくつもあるものなのですよね。

それを実感した時、それまでより私は肩の力が抜けた気がしました。
私は何事も肩の力が入りすぎだとよく言われます。
あなたの真剣さが恐い、と云われたこともあります。
でも私はこういう風にしか生きてこれなかったし、
肩の力を抜けばいいんだよ、なんて云ってもらっても何の役にも立たないのです。

だから真一の気持ちはとてもよく分かるし、義男の台詞の意味もよく分かります。
この小説のいいと思うところは、登場人物の「本心」がとてもリアルに描かれている
ところだと思います。
ドラマでしか見てない人や、まだ呼んだことない人に、是非お薦めします!


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