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理念~collection5~ [建築]

 今日は私が参加している「DOCOMOMO Japan」というNPOの総会に参加してきました。「DOCOMOMO」は正式名称をDocumentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement(=モダンムーブメントに関わる建物と環境形成の
記録調査及び保存のための組織)といい、モダニズム建築保存のための組織です。

日本にはこのDOCOMOMOが選定したモダニズム建築115選があり、私の好きなライトの
建築もこの中に含まれています。ライトの帝国ホテルに魅了されて以来、すっかりモダニズム
建築を愛するようになった私は、趣味が高じてこんなことも始めてしまいました・・・。

今日の総会は八王子の大学セミナー・ハウスでした。
これがまたとても奇妙でユニークな建物群なのです!

「大学セミナー・ハウス 本館」
吉阪隆正/設計 東京都八王子市下柚木・1965年

ご覧の通り、逆三角形なんです!窓や部屋が斜めなんです!こんな建物初めて!
しかも眼があるんですよ~!

ぶ、不気味・・・。

本館以外の宿泊施設もどれも変わっていて、この変わり方がこだわりのようです。
「一つとして同じ形はない。おのおのが個性をもって主張している。」
これがこのセミナー・ハウスの一番のこだわりだそうです。
なんだかこないだのSONYの標語のよう!

ユニット・ハウス 

この施設は1人部屋13棟を1群として、7群まであったのですが、
建物の老朽化・施設の利用状況を鑑みて、新館を建てるがために(床面積の関係上)、
1群と2群の4棟のみを残して後は取り壊しになるそうです。
今日行ってみたところ、既に殆どが解体されていました。
ちなみに葉っぱのマークはこの大学セミナー・ハウスのシンボルですが、
葉っぱの数によって一目で1群、2群と分かるように工夫されていたようです。

あと一番中からの空間が面白かったのが、この長期研修館。

中があまりにも奇妙に作られていて、全体が写せず部屋内は私には撮れませんでした。
でも外からみても、だいぶ奇妙さは伝わると思います。
でこぼこしてるのがひとつひとつの部屋なんです。ほとんど迷路ですよ~。

とても素敵な施設なのですが、シンポジウムでこの大学セミナー・ハウスの存続が
危ぶまれているお話しをされていて、建築当初から関わっている設計士の方が
先日建ったばかりの新施設について、金銭的な問題、今の館長さんとの意見の相違から
施工に関われなくて、本来の大学セミナー・ハウスの教育理念とはかけ離れた施設が
出来てしまったことを、涙ながらにに悔しそうに語っていました。
理想と現実。
思わずもらい泣きしてしまいました。

設計者・吉阪隆正さんは、この大学セミナー・ハウスについてこんなことを云っています。

「一人一人が己の城を持つことが、自分の意見をもつようになるもとだ」
「遠くて不便なことが、偶然の出会いの機会をふやす。」

他にももっといい言葉がたくさんあったのですが、特に今日実際の建物を見てみて
実感したのが、このふたつの言葉です。
今度は泊まってみたいなぁ~。


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