SSブログ

判決 [日常]

 オウム真理教(現・アーレフ)松本被告に死刑判決。
そのNEWSを聞き、すぐに言葉が出てきませんでした。・・・今でも。
それぞれがそれぞれに複雑な思いを抱える事件だったと思います。
いや、過去形にはまだ出来ないでしょうね。
事件は今なお、継続しているから。

あの事件を振り返り、私自身が関わったことは事件全体から見れば、
小さな出来事ではあったと思います。

ひとつは、友人が運悪くあの電車に乗っていて、病院へ行ったこと。
しかしこれは極めて軽症に済んだので、当時友人は高校生という若い時期だったこともあり、
話しのネタにしていました。
笑いごとではなかったけれど、笑い話に出来るように無事で良かった、
と誰もが思っていました。

ふたつめは、当時の友人がオウム幹部である上祐氏のファンであったこと。
私には全くもって理解出来なかったけれど、事件当時上祐ブームなるものが起き、
彼の周りには女子高校生を中心としたファンクラブみたいなものがあったと記憶しています。
私の友人はそれに加わってなんだか騒いでいましたが、
それに対して私が抱いていた感情を何と呼ぶのか、その時の私には分かるすべも
ありませんでしたが、今ならはっきりと分かります。
嫌悪。
認めます。

私は死刑制度には反対の立場です。
人を殺した人間に対して、死で罪を贖わせるのはいい判断だとはどうしても思えません。
贖わせる、という言葉自体が適切な表現ではないかも知れません。
それでも人を殺してしまったことが原因で、その加害者を殺してしまったら、
そこで同じ過ちを繰り返してしまうことにはなりませんか?
理不尽で不本意なことが起こった時に、相手の流儀に合わせてこちらが行動を起こしても、
何にもならないと思うのです。

先日の話しではないけれど、「アンフェアにはフェアを」。
それが一番の復讐であると、私は信じています。
目には目を。
ハンムラビ法典なんて、時代に即した法律だとは思えません。
少なくとも私の流儀ではない。

そういった事件に関わったことのない人間ではあるけれど、
今まで幸福にも関わらずに済んで来たことに感謝しつつ、
この立場からの考察を自分で持つこともひとつの大事なことではあると思っています。

今回の判決について松本サリン事件の被害者である河野さんは、
こんなことをおっしゃっているそうです。

裁判の動き方とか裁判の中で行われたことに関して、どのような印象をお持ちですか。
の問いに、

「裁判官が結論を出す前に世の中が出しちゃってる、あるいはマスコミが出しちゃってる」ということですね。言ってみれば、「判決前に判決が出ている」ような社会状況になっているところが、とてもおかしなことだと思います。
(中略)
それから、麻原さんの一審判決が8年ぐらいかかかっているのが「とてつもなく長い」という言い方をされます。しかし、その起訴項目、あるいは被害者の数――被害者は亡くなった方だけでもずいぶんいますから――そういうものを勘案した時に、わたしは8年というのは短いじゃないかと思っているんです。

ところがマスコミは、「長いですねえ」と先導するんです。じゃあ実質的な審議を、13項目の起訴のようなものを、一つひとつ公正に立証していった時に、他の人がやったら8年でできるのか。その意味で、弁護団や検察は「一生懸命やって8年で詰めた」という認識を持っているんですけども、それもやっぱりマスコミが「長かったのではありませんか?」という質問をして、ただ単に「8年という年月は長い」という言葉を先導する。そうやって、世論の方向性をマスコミが作っているということはあると思いますね。 」

今朝、この裁判のNEWSを見ていて、「8年」という裁判の長さに思わず、
「長いなぁ・・・」と呟いた私ですが、
このコメントを読んで、とても深いなぁと思いました。

本当に、それぞれの立場でそれぞれの思いを抱えていますよね。
「立場」を重んじられる人間になりたいです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

憧憬一日 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。