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約束から考える日・英・韓 [日常]

これは傾向としての国民性の話し、ということをまず強調しておきたい。
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(横浜・赤レンガ倉庫)

普段イギリス人と仕事をしていて、時々疲れるなぁと思うことは、
会社のルールに関係なく主張する人が多い、ということがある。

こんなスケジュールでは忙しすぎる、もっと自分の仕事を減らせ、
と平気で上司に云ったりするのでビックリする。
同僚の私にならまだしも、上司にわざわざ電話かけて不平を云っている姿を見ると、
いい加減慣れたとは云え、未だに目が点になる時がある。
遅刻をしてもあまり気にしてない様子。
頻繁に遅刻をしたところで、上司もあまり問題視してるように見えない。

もちろん、私の会社の傾向であるだけかも知れない。
でも多分「雇用者」と「従事者」の関係の考え方の違いが、理由のひとつとして
あげられるような気がする。

私の仕事はシフト制の仕事なので、上が決めた曜日に働くのが私には「普通」のことだと
思うのだけれど、何気なく「いやー私が決められないし。」とイギリス人の同僚に話をしたら、
「それは全くもってフェアじゃないわね!」と私のために怒ってくれていた。
それを見て「あーそうか。フェアにすべきという考え方なのか。」と思った。

イギリスに行った時に郵便局が部署ごとにストを起こしていて、全部で2週間くらいまるで
郵便が出せなかった時もスゴイ国だなぁと思ったけど、
従事者の立場は日本の会社の比にならないくらい強いのだろう。

私にはそもそも「フェア」だという感覚がなかったけれど、確かにそういう感覚を持っていれば、
会社に主張くらいするのはなんともないだろう。
そしてその主張を受け入れるかどうかは別として、主張を受け取る度量があるのは、
いいところなのかも知れない。

郵便局が全く機能してなかった時も、実際困った人はたくさんいたはずだけど、
それについて「無責任だ!」「損害をこれだけ被った!」とかいう声はまるで聞かなかった。
そういうことに対しての主張がないのは素晴らしいようにも思う。
自分が主張はする分、他人の主張にも寛容といった感じ。

でもやっぱり時々「そんなに嫌なら辞めちまえ!」と思わなくもない。
会社のルールに則ってスケジュールを組んでいるのに、個人的理由で断られても
なんだかなぁ、と思う時もある。
あんたに断る権利はないぞ、と思っても、それは向こうも充分よく分かっている。
分かっていて主張しているのだ。
もし私がどうしても通したいことだったら、私も主張しなきゃいけない。
・・・時々、疲れる。

しかも「絶対」と云っていたことが結構、覆ることが多っかたりする。
あたかも「絶対」なんて云ったつもりはないかのような話しぶり。
それは仕事上でも、プライベート上でも同じ。
イギリス人に期待をしてはいけない、というのが私の会社で得た教訓であった。

しかし、そのことについて改めて考えさせられたことが最近あった。

ブリストルに行った時に同じクラスだった韓国人の友達が、我が家へ遊びに来た。
JALでイギリスへ行ったらしく、東京経由でソウルへ帰るとのこと。

Facebookでチャットしたりメールしたりして、待ち合わせ場所やら観光場所は事前に決めていた。
イギリスにいた時から日本に行ったらディズニーに行きたい、と行っていたので、
2人でいくのもなんなので、イギリス人の友達を誘ってその彼女と4人でシーに行くことにした。
友達もその話しには大乗り気・・・のように見えたので、プラン立てて良かった、と思っていたら、

「暑いし高いし時差ボケがあるから行かない」

というメールが3日前に来た。・・・なんと?!
私だけならいいとして、別の友達に前々からその日を空けておいてもらったり、
チケットをどうするか話したりしていただけに、そんな直前に断られたことにビックリした。
でも、行かないというのならしょうがない。
一緒にいくはずだった友達にはどうやら体調が悪いということにして、平謝りして断った。

しかし結局その韓国人の友達とは本人の希望で横浜の花火大会に出掛けたので、
別にシーくらい行けたのでは、と思う。
多分、急に気が変わっただけのようだ。

そしてある理由があってその友達は一週間後にもう一度、日本に来ているが、
その滞在期間に必ず電話する、と云っていた割りに一度もなかった。

これは大いに笑った。なんだそりゃ!と。

面白かったのでこのことをネタに何人かの人に話しをしたところ、どーやら韓国人は、

「実際に出来るかどうかは別としてこうしたいと思ったことにでも断言してしまう、
傾向がある。」

ということを知人に教えてもらった。
それを聞いて「なるほど!」と思った。

この経験を経て「やっぱりね~約束を律儀に守るのは日本人だけだよ」と簡単に結論して
しまうところだったけれど、もうちょっと深く考えてみると、なんで日本人はそんなに「約束」に
こだわるのか、と云えなくもない。

もちろん、約束は守った方がいい。
英語にも韓国語にも「約束」という言葉は当然あるし、「約束」の概念も同じものだ。
でもそもそも「約束」に対する考え方が、異なっているような気がしてならない。
こちらは「約束」と思っていることも、向こうはそう思ってないような、そんな感じ。

これって日本人からすると、どこからがちゃんとした約束で、どこからがちゃんとしてない約束か、
全然判断出来ない~と思っちゃう。
でも多分境界線は、ない。
「その時はそう思っていた」と素直に受け止めるしかない。
社交辞令を鵜呑みにしてはいけない、とかそういう話しでもない。

ともかく、約束の遵守の有無は彼らの人間関係にひびを入れず、
きっと彼ら的にはとても細かい話しなのだと思う。

しかし、イギリス人も韓国人も世界的にはとても真面目な国民性を持っている。
イギリス人のフェアプレイの精神は本当に素晴らしいし、
韓国人の勤勉さにはとても頭が上がらない。

なので約束と真面目さが結びついているのは、ほぼ日本だけ、という気がする。

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結局私は一度約束した予定を断ることがどーも出来ず、
また一度決めたディズニーシーに行くという自分の中の役に立たない目標を果たすため、
イギリス人カップルと私、と云う微妙な3人で、エライ猛暑の中シーに行った・・・。
そのイギリス人の友達は日本人でもびっくりするくらい律儀な性格で、
職場では少々浮いているような気がする(笑)

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「韓国に着いたら韓国の特産品を送るよ!」と韓国人の友達は日本を経つ時云っていたが、
それは果たして果たされるのか、しばらく楽しみである。わくわく。

ちなみに韓国語も約束は「ヤクソク」という。

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コメント 9

sakamono

おもしろい考察ですね^^。国民性みたいなモノって確かにあると思います。
韓国語でも「ヤクソク」というのは、なぜだろう?
日本から伝わった言葉なのか(あるいは韓国から日本に伝わった?)、
などと、ふと思ってしまいました。
オチがどうなるか、楽しみですね^^。
by sakamono (2010-08-17 07:26) 

ガッチョ

韓国語も「ヤクソク」であるなら、この「約束」というものは、
その昔の韓国の概念には存在していなかったということのような気がするなぁ。
「プロミス」も約束に比べると重さを持つ気がするし。

そうそう、ヨーロッパの人ってフェアって表現、使うね。

ちなみに、シーは楽しかったの?(笑)

by ガッチョ (2010-08-17 11:25) 

いたちたち

>sakamonoさん
どうやったら調べられるのかわかりませんが、
「ヤクソク 약속」がいつから使われるようになった言葉か
いつか調べてみたいと思います。

でも日本が統治していた時代が長くあるので、
日本からの外来語、という可能性は大いにあると思います。
それかどちらもオリジナルは中国語なので、
いくつかの言葉は変化せずお互い残ったか、どうか?

「関係 カンケ」「無理 ムリ」とか結構同じ単語多いようです。

>ガッチョくん
その可能性ももしかしたらあるかもと私も思ってます。
でも外来語だとしても、別の言葉をそれまで使っていて、
使いやすいので「ヤクソク」を使うようになった可能性もあるので、
概念まではどう調べたら分かるかなぁ~と考え中です。

英語の約束はそうそう、「promise」が一番重い約束だと思う。
約束っていうか「誓い」?多分神に対しても含んだ約束。
でも人と会うとかだと「appointment」だから全然違う言葉になるん
だよね~。
だから友達と会うとかは日本の考え方の「約束」に含まれないのかも。

あーもしかしたら宗教観にも繋がるのかもね。
ルース・ベネディクトの『菊と刀』にあるような「罪の文化」と「恥の文化」
のように、誰に対してきちんとしなきゃいけないと感じているかどうか、
ってことかも知れない。

シーは思いっきり楽しんできた!!やるならとことん派なので(笑)
はしゃぎすぎてスッゴイ疲れたけどね。

by いたちたち (2010-08-17 12:39) 

きむたこ

時間通りに行くと、「ニッポンジンだねぇ。」
と、言われるカイガイ生活。(笑
だんだん時間に約束にルーズになっていく、
そんな自分を感じずにはいられません。(汗
by きむたこ (2010-08-19 00:38) 

いたちたち

>きむたこさん
次日本に戻ってきた時に逆に違和感を感じるかも知れませんね!
きむたこさんくらい、海外生活長いと~。

アフリカなんて多分私の体験してる外人経験の予想をはるか
上を行くイロンナ経験が出来そう(笑)
by いたちたち (2010-08-19 11:33) 

こんとらばっそ

日本人の国民性は良くも悪くも好きです。
ただ他国の国民性の違いを実感するのも
面白い?ものですね。
シーはしばらく行っていないですね。
非日常の世界をまた体験したいなぁ・・・
by こんとらばっそ (2010-08-19 19:38) 

いたちたち

>こんとらばっそさん
おそらく、日本人って「約束」出来ないことはうやむやに返事したり
すると思うのですが、イギリス人や韓国人からすると「約束」を
「反故にする」より返事を「うやむやにする」方が相手に失礼と
感じているのではないか、と思います。

・・・これが私の最終的な結論です。
でもこういうのを考察するのはホント面白いですね~。

シーは久しぶりに行ったらなかなか面白く、はしゃいでました(笑)
by いたちたち (2010-08-19 20:56) 

ぱむ

ぜんぜん国が違いますが、
モンゴルで正午にニュースがあるというので正午にテレビをつけても、一向に始まらない、「なぜ?」とモンゴル人に聞いた。相手は「日本では正午のニュースは正午に始まるの?」と逆に聞き返された、なんて話を聞いたことがあります。(笑
日本人の私は約束・時間は守る、が普通で、日本で言えばドタキャンではないかと思っちゃいますが(シーの件)、逆に「どーしてジャパニーズはこうなんだ」、と他の国の方に思われることもきっとあるんでしょうねぇ。
by ぱむ (2010-08-23 16:35) 

いたちたち

>ぱむさん
そうそう!テレビ番組がプログラム表通り始まらない国も結構
多いみたいですね!信じられないけど。
そういうところからして「約束」に対する考え方が何かチガウ。



by いたちたち (2010-08-24 02:05) 

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