献身 [本]
最近どうもミステリーばかり読んでいます。
そうなると私の世界の中では人がばたばたと死んでいくので、
どうにも毎日読むには極めて不健康な読み物のような気がしてきました。
「模倣犯」を読み終わったら明るい本を読もうと決めていたのに。
しかし昨日読み終わった本はなかなか良かったので紹介します。
東野圭吾の「容疑者Xの献身」です。
去年発表されて、今年の直木賞受賞作ですね。
あのトリックは最後まで予想外でした。
でも・・・なんだろう?
加害者・石神側の話から始まったから当たり前といえば当たり前だけど、
常軌を逸した殺人にもかかわらず、妙に状況が落ち着いていて、
盛り上がりに欠けるというか。
トリックは予想外なんだけど、驚いてる間にあっけなく終わっちゃったような気がします。
多分、どの立場からも心理面が充分に描かれていないからだと思います。
石神の心理も靖子の心理も湯川の心理も。
私の好みの問題ですけどね。
いまいち石神の気持ちに私が寄り添えなかったというのもある。
あまりに一方的過ぎる想いなので、あれを受け止めろっていうのも乱暴ですよ。
世間が欲しているミステリーはあういうさらっとしたものなのかな。
なんだか全然お薦めしてませんけど、あの筋書きはなかなか思いつかず、
実際面白かったですよ。
2006-05-19 13:39
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