事件

　今日は幼い頃の夏休みの如く時間が間延びしていて気怠い。
日の長さのせいか、内に篭る鬱のせいか・・・。

「模倣犯」は流石に文庫本5冊もあって読み応えがあります。
それよりもこの小説をミステリー小説だと思って読み始めた私の誤りに
今更ながら気がつきました。これは社会派小説ですね・・・。本当に今更ながら！

TVドラマは殆ど見ていませんでしたが、ドラマでは設定のすり替えもあり、
小説はなんだかよりリアル・・・こんな殺人者は現実にいそうで、
5冊分になる理由がよく分かりました。
被害者も加害者も含めて生い立ちから家族の思いや、それまでの経過や・・・
微に入り細を穿ったそのエピソードは、私の中でどんどん膨らんで、
私にとっては「模倣犯」が今やひとつの事件です。

同じ宮部みゆきの「火車」を読んだ時も同じ衝撃を味わったものですが、
またしても手痛い衝撃を受けました。
あぁ。本当に今更だわ・・・。

「子供は後先を考えずに嘘をつく―それで大人を騙せると思っている。」

この一文に私、今日一日ぞくっとしてました。
あぁ、そうだなぁ・・・って。なかなか出そうで出ない言葉だと思ったのです。

去年母親にタリウムを飲ませた女子高校生の恐ろしい事件がありましたが、
その女子高校生が師とも仰ぐグレアム・ヤングという殺人者は、毒物を家族の食卓に盛り込んでおいて、どれに入れたか自分でも忘れてしまって家族と同じように病気になったらしいのですが、
なんだか妙にその話しを思い出して、余計に気が暗くなりました。

今ストーリーは中盤。
噛み締めて読み続けます。それが砂だとしても・・・。

そして「模倣犯」の次はもっと明るい本を読もう！と今決めました。
砂から這い上がらねば。

コメント 4

どっぷりと世界に入り込んでいるみたいですね～
でも実は現実だったりして・・・(－_－)

ベストセラー小説。
すぐに映画になるけれど小説から感じられる面白さを網羅できた作品ってないね。
模倣犯もやっぱりそうだった。
映画ってどうして2時間が一般的なんだろう？
ほとんどのベストセラーって2時間で表現するには無理がない？っていつも疑問です。
そう考えるとドラマってまとめたら１０時間とかになるから時々映画より大作なんじゃ！？って思います(笑)
前に宮辺みゆきの「理由」をドラマでやっていたのですが、あれはなかなか面白かったです。きっと全くの無知の状態で見たからでしょう。
私はドラマや映画は小説を読む前に見ることをお勧めしますね～＾＾
by あっぷ (2006-05-01 20:51) 

　ややや現実っぽすぎて一人で会社で仕事するのが怖くて逃げるように帰って来たよ！私すぐ会社で一人になるから一応気をつけよう・・・。
　結局ね～小説が先だとどうしたって自分の思い通りに作品は出来上がらないよね・・・。映画でもドラマでも興行的な意味での人選はもちろんあるし、ピースが中井くんってなぁ・・・。私が一番真っ先に浮かんだピースのイメージって実は「ＭＯＮＳＴＥＲ」（浦沢直樹）のヨハンです（笑）。二次元だし。
　映画が2時間な訳って・・・人間が大体じっと耐えられる長さなんじゃないでしょうか？最近は3時間くらいのも、ままあるけどね。
　でも宮部みゆきは2時間じゃ無理！ですよねぇ。大河ドラマペースでやって欲しいなぁ。一年くらい。
　
by いたちたち (2006-05-01 23:42) 

ヨハン・リーベルトね！
わかる気がします＾＾；
「ＭＯＮＳＴＥＲ」って原作あるのかな？
by あ (2006-05-02 13:52) 

原作ないんじゃないかな？あの本もかなりショッキングだよね。
浦沢直樹のストーりーの面白さって「漫画」という枠の中で卓越してるよね。
by いたちたち (2006-05-09 13:37)